わたし、猫語がわかるのよ

わたし、猫語がわかるのよ
日本ペンクラブ

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247 p、読破時間 55分

ジョニー

「ジョニーがええがのう。ジョニ、ジョニ、ジョニ、っち呼びやすかろが?」

あたしが神社の鳥居の前でひろってきたオスの仔猫は、父によって「ジョニー」と名づけられた。
25年も昔の話。

ジョニーは、カツラをかぶって、破れた靴下を履いて、背中にハートマークがついていた。
そんな模様の白黒のブチ猫。
ジョニーと名乗るには、いささかマヌケな風貌。

そして、ますます「ジョニー」という名前が似合わないほどでっかく成長し、まるで牛みたくなってしまった。
体重9Kg。普通の猫の倍くらいの体格。
ウチを訪れた人は皆驚きの声をあげていた。

それが嬉しいからなのかどうかはわからないが、ジョニーは人なつこいというか、とにかく出たがりなヤツだった。
法事や近所の集まりでもあれば必ず顔をだす。
「やあ、オレさまのためにみんな集まってくれたのか?」とでも言いたげに。
締め出しても、ドアだろうが引き戸だろうが開けてやってくる。

「ジョニー、いいかげんにせんかのう」と、父。
「ジョニーっちいうんかえ?こんコは。えらいハイカラな名前つけてもろうたもんじゃ。」一同爆笑。

そういえば、父になんでジョニーって名前にしたのか聞き忘れていた。
聞いたかもしれないけど、「見てわからん者(モン)なあ聞いてもわからん」が口癖の父にうまくはぐらかされたのかもしれない。

父もジョニーももういない。

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